白
□宴のはじまり
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ゆっきーとハイドが泊まりに来ることになって、学校が終わるやいなや家にダッシュで帰った。
昨日は雨で急遽泊まって行くことになったから仕方ないけど、あまりにも部屋が汚い。綺麗好きなゆっきーが来るんだし、今夜はいろいろと騒ぐだろうから綺麗にしとかないと…。
買い出しを頼んだ2人が来る前に汚い部屋を急いで片付ける。
ある程度片付けたころ、ゆっきーからもうすぐ着く。とメールが入った。
そういえば制服のままだと気がついて着替え、マンションの入口まで行くと、ちょうど2人にであった。
「あ、けんちゃん。」
ハイドが大きく手を振る。
その隣で妙にニヤつくゆっきー。
俺はハイドの荷物だけを持ち(ゆっきーのは絶対持ってやらん。)部屋に入る。
「へぇ、意外と綺麗じゃない。」
入ってからのゆっきーの第一声。
「けんちゃんもともと綺麗好きだよね。」
ハイドがフォローするけど、ゆっきーには逆効果。だってゆっきーが来る時はいつも汚いからな。
ハイドが来る時だけ綺麗にする。小さな下心、ゆっきーに見抜かれたのかもしれない。いや、絶対見抜かれたな。
「いつも綺麗…ねぇ。」
「そう言えば、なに買って来たん?」
ニヤニヤするのを見て慌てて話題を変えようと、買ってきた袋をあさる。
出てきたのはビールやら酒類のもと、つまみ系と……、
「ハイド、主食は?」
今晩のおかずのご飯類が見当たらなく、ハイドに聞くと、目を反らされた。
「忘れたな‥。」
まさかゆっきーまでいるのに主食を忘れるなんて。
俺はため息をついた。
「チャーハンでいい?」
「え、作ってくれるの?」
「いやか?」
空腹に酒だけってのもいいけど、アル中は気をつけておきたいと、袖をまくり台所に立つ。
「僕、辛めがいい。」
ゆっきーのリクエストは却下。
黙々とチャーハンを作ってる間、ハイドとゆっきーはどの酒を先に飲むか決めていた。て言ってもハイドがこれね、あれね、と決めていてゆっきーはうんと頷いてるだけだけど。