白
□繋いだ手
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別にテツが悪いわけじゃない。
でも、苛々するのは事実で、こんなんじゃいけないと思って家を出た。
行く場所は決めてない。
気持ちを落ち着かせるために歩いていると、見覚えのある公園に着いた。
「ここ・・・。」
滑り台とぶらんこ以外遊具はないのに、土地は広い公園。
街灯がいくつもあって見通しがいい。
この公園で小さい頃よくハイドと2人夜まで遊んだ。
「なんて、覚えてないだろうな。」
ハイドが転んで泣いたこと、
ぶらんこの取り合いをしたこと。
俺は全て覚えている。
その頃から俺はハイドが好きだった。
叶えられない想いは募っていくばかりで、
俺も男だ。ハイドと付き合いたいと思うし、付き合う中でいろいろと・・・したいと思うようになった。
こんな想い俺だけだと思ったのに。
昨日の涙。
あれは本当に俺が思う涙なのか。だんだんと不安になる。
ただの思い違い?
「好きなんだ。」
星に向かい呟く。
「けんちゃん!」