赤
□きっと、追いかける
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オレの手にはキラリと光る鋭角物。怪しまれないように手で覆いかぶせ、近づいて行く。
前から行くか…後ろから行くか…。
「けんちゃんっ!!」
呼べば、アナタは振り向いて手を広げオレを待ってくれる。
「おいで…。」
その言葉にオレはかけて行って…、
「っ…!!」
胸のあたりにナイフを刺した。
「愛してる…愛してるから、死んで……。」
耳元で囁けば、けんちゃんは微笑んで
「やっと…俺の、ものに なった…‥。」
そう言って崩れていった。苦痛な表情でなく、うれしそうな表情で。
やっと?俺のもの?
殺されたのに、しかもオレに…。
オレだから…?
うれしくなった。勝手に自分のいい方に考えてしまうけど、自惚れていいよね?
こんなにも死に顔が幸せそうだもの。
好きだよ、けんちゃん。
きっと、追いかけるから…。
きっと、見つけるから…。
一緒になろう?
END
piecesのプロモを見て浮かんだモノ。