□オレだけの、なんて…
1ページ/2ページ


オレだけの、なんて思うのは…


「……。」
「どうしたん?」

「…別に。」
「怒っとるやろ?」


怒ってるよ。でもね、怒ってるより悲しいが勝ってるんだよ。

テレビの音だけが響くリビング。
会話はない。

「ひっついていい?」
「来ないで。」

今はけんちゃんに近づきたくない。引っ付こうと近づくけど、そのたびに遠のくオレ。

「キレるで。」
「お好きに…。」

トーンが低くなったから本当にキレるかも知れない。それでもいいよ。悲しくなるだけだから。

「……。」
「うわっ!!」

急に倒され、思わず声が出てしまった。
真剣な顔。キレてる……でも、オレも本当に怒っているし、悲しいから。目を反らさずじっと見る。

「ごめん…。」
「え‥…?」

意外にも出た言葉は謝罪の言葉。
保っていた虚勢が崩れ、涙が溢れてくる。
更に頭なんて撫でてくるから止まらなくなるじゃん。

「俺のせい…だよな。」

違う…オレが勝手なだけ。
そう言いたいのに、
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ