□好き、よりももっと
1ページ/3ページ



好き。

がっちゃんに何度も言われている言葉。
なのに、オレはがっちゃんに何も返せなくて。ただ頷いてキスを受け入れるだけ。
自分からキスをしたこともなければ、連絡なんてオレからは絶対にしない。

嫌いじゃない。
むしろ大好きだし、愛している。素直に言えないのが歯痒くて、いつもイライラしてた。
メンバーから腫れ物のような扱い、毎晩のように行った風俗。なにかしたいわけじゃない。なんでこんなことしてるのか自分でも分からないのだ。

「愛してるよ。」

安い女たちには言えるのに、
感情のない言葉は出せるのに、
なんで肝心の人には言えないのだろう。余計にイライラしてしまう。


『なんで、毎晩風俗に行くの?俺じゃ不満?』
「かもな、がっちゃんには関係ないやろ。」

風俗に行ってることを隠さず、がっちゃんにバレバレで行く。
必ず毎晩がっちゃんから電話がある。

謝らなきゃいけないのに、相変わらず口からでる言葉は冷たくて。がっちゃんを傷つける。

関係ない。
そんなわけないやろ。
ただ構って欲しいだけなのに、自暴自棄になって歯止めが利かなくなってきてるだけなのに。

正直に話して、謝って、好きだよ、って言えば許してくれるかも知れない。がっちゃん優しいから。
でも、言えない。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ