□闇夜、提灯の下
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夜の見回り中、どこからか悲鳴と刀でやりあう音。
幕末の今。
攘夷派と幕府派とで殺しあうねはそう珍しくはない。が、京都の警備を任せられている我等新撰組はこうゆうの見逃しちゃ示しがつかない…と一応現場へと走った。


現場に着くと、一人男が倒れ、その傍らで刀をおさめた剣士がいた。

「新撰組だ。その方名を名乗れ。」

「新撰組か…。オレはハイド。攘夷派の人間だ。」

攘夷の人間と聞き、刀に手を添えるが、そいつが振り返り、顔を見た瞬間手を刀から離した。

「なぜ泣いている?攘夷派のハイド。」

そいつは泣いていた。
返り血のついた顔でそいつ…ハイドは泣いていた。

「え…。」

ハイドは顔を撫で、自分が泣いていることに気がついた。

「そこの死んでる男は幕府の人間やろ?お前が悲しむ必要はないはずやで?」

名前は知っていてもそいつの中身自体は知らない他人。しかも自分で切り殺した人間なのに。


「なんでやろね。…でも、こいつにも家族がおったはずなのにね。」

そう言ってハイドは斬りつけたそいつに向かい手を合わせた。

「変なやつ…。」

俺もハイドの隣に立ち、無惨にも殺された男に手を合わせた。

「…殺せよ。こいつみたいにオレも。新撰組さん」

刀を置き、両手を広げるハイドに俺は笑った。

「…なにが可笑しいん?」
「いや、なんでお前みたいなのが人斬りやってるんかなって。」

キョトンとしたハイドに更に笑う俺。

「あはは…悪いな。俺不真面目な新撰組やから。あ、俺けん。優しい人斬りのハイド。」

ハイドの置いた刀を拾い、返した。
「そのちから、自分を守るためだけに使いな。もったいないで優しいのに。」

俺は報告とこいつの処理のために屯所に帰るからその間に帰りなとだけ伝え、仲間を連れ現場に戻るとハイドの姿はなかった。
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