捧
□近くにヌクモリ
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セックスが好き。
そういうのじゃなくて、
欲求不満。
そうでもない、
ただ、近くにけんちゃんが居ないのは嫌なんだ。
最近、けんちゃんが近くに居ない。
いや、近くには居る。正確に言うと、けんちゃんは最近オレと2人っきりにならなくなった。
必ずゆっきーやてっちゃんが近くにいて、仕事の話しかしない。
夜はお互いの家に居るし、寂しくてメールをしても返事は来ないで、翌朝『ごめん、寝てた。』というメールが入るだけ。
‥‥まさか、
「けんちゃん。」
「んー?」
「今日泊まっていい?」
「散らかってるから、明日でもええ?」
「え、うん‥‥。」
「なら、明日な。」
いつも散らかってるくせに、今日に限って片付けるんや。
怪しい、てますます疑ってしまうやん。
「やっぱ、きょ 「ケンさーん、リハーサルします!」
今日行きたいって言おうとした瞬間スタッフさんの呼び声に遮られ、けんちゃんはリハーサルへと行ってしまった。
その後、けんちゃんと入れ違いでリハーサルを行い、オレが戻った頃にはけんちゃんは帰っていた。
「なんか、部屋掃除せな。って慌てて帰ったけど。」
けんちゃんを探していたオレにてっちゃんが教えてくれた。
慌てて帰るほど汚いのか。
それとも、今行ってオレに見られてはいけないモノがあるのか。
浮気の証拠隠滅。
恋人が今家に居るとか。
あぁ、そういうことか。どうせなら捨てられた方がましだよ。中途半端な愛なんていらない。