□嫌い、でも‥‥好きだから、
2ページ/2ページ



ハイドに会わなくなって半年が過ぎたころ、
俺は寝不足と過労、栄養失調で倒れてしまった。

「大丈夫か、ガク。」
「‥‥ゆ、ユウ?」

ユウが困ったような笑顔で笑っていた。

「‥、栄養失調だってさ。笑っちゃうよね。」
「‥‥‥。」

「あ、ユウ。あの‥
「ガク。ハイドさんが、原因なんやろ。」
「…‥。」

―違うよ、俺がちゃんと健康管理してなかったのが原因なんだ。―

そう言いたかったのに、出るのは涙だった。

「もう、無理すんな。ハイドさんのことは諦めろ。」
「い、やだ‥ッ!!好き、なんだ、」

こんなにボロボロになるまで俺はハイドのことを考えている。
クシャっとした笑顔。
甘い声。
絹のような髪。
透き通った白い肌。

大好きなんだ。
愛しているんだ。


「‥なら、無理すんな。会いに行けよ。」
「ユウ‥?」

「ハイドさんに会って、また元のガクに戻ってこい。」
「うん‥、うん!分かった。ありがと、ユウ!」
点滴の針を抜き、俺は病室を飛び出した。


―ピンポーン―
「はーい、どちらさん?」

久しぶりのハイドの家。
ハイドの声。


「ハイド‥‥。」
「あ、がっちゃん。久しぶりやなぁ。」


あぁ、ハイドだ。

俺はハイドを抱きしめた。
匂いも、肌の温かさも、なにもかも愛おしい。

「会いたかった。」
「ほんと、半年ぶりやもんな。」

「ハイド、好き。愛してる。」
「…知っとるよ。」

ハイドは絶対に言わない。
どんなに好き、と囁こうと返してくれないけど、

やっぱり、俺はハイドが好きだから。




End



初の楽灰。
うーん、楽灰だとハイド様が軽い。これじゃガクト様がかわいそう。(-"-;)
でもね、本当は好きなんですよ、
言えないだけなんですよ。
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ