捧
□宿りし幸福
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妊娠したことをメンバーに話した。
てっちゃんは、ちゃんと避妊しなかったのかぁ!って怒鳴ったけど、笑っておめでとう、と祝福してくれた。
ゆっきーもおめでとう、と何度も言ってくれた。
けんちゃんとの関係を話したことないのに、驚かない2人に逆に驚くと、みんななんとなく気づいてたみたい。
なんだか恥ずかしくなってけんちゃんの影に隠れ、その行動を見てメンバーがまた笑った。
「んー、現実に戻すけど、ハイド。活動どないする?産休て言ったら女ってバレるやろ。それでもいい?」
女ということを隠して、オレは男として活動してきた。これからもそうつもりだけど…。
産むためには休まないといけない。それにお腹だって大きくなり、胸だって今以上に・・・。
「ええやん。謎の活動休止で(笑)今までだってそんな感じで休止してきたんやし。」
重い空気の中、けんちゃんが言う。
「まぁなぁ…。ハイドはどう思う?」
「オレも、できればそうしてほしい。」
音楽性に惹かれてラルクに付いてきてくれたって信じているけど、女と暴露して離れていくファンの子を見たくない。
「…、じゃあ、そのまま何も言わず休止宣言するで。」
話し合った結果、女ということを隠していくことにした。
この雰囲気を壊さないためにも、ファンのためにもと出した結果だ。
「ねぇ、入籍するの?」
ゆっきーからの質問。
オレとけんちゃんはお互い顔を見合わせ、一時停止。
入籍…。ゆっきーに聞かれるまで気にしてなかった。
子どもができるんだ。未婚のままじやダメなんじゃないか。でも、籍を入れてしまうと…。
「…、それはここで話すことじゃないよね。2人で話しあった結果、教えてよね。」
ゆっきーの優しい笑顔に泣きたくなった。
決めなくちゃいけないことだけど、今すぐ決めれない問題。