銀魂
〜連主×沖田の場合〜
―side沖田―
ふざけんな。
(土方さんはそう言いやした)
ターミナルでの一件以来、土方さんは滋田のことを嫌っている。
隊士の反応も良くはない。そりゃあ、あんだけぼろくそ言われてりゃそれが普通の反応なんでしょうがねィ。
「近藤さんはどう思いますかィ?」
「…、滋田か?」
「そうでさァ。冒頭からの流れくらい理解しろよゴリラ」
「え!?冒頭って!?上司にゴリラって言っちゃだめでしょ!?」
「うるせーよ」
「…。ま、まあ俺は滋田のことをとやかく言うつもりはないな」
「言ったら幻滅しまさァ」
俺はそれだけ言って近藤さんに背を向けた。
土方クソヤローも愚隊士も何もわかっちゃいねェ。真選組をけなされたのは確かにムカつくかも知れねーでさァ。
(でも、)
滋田が言ったことは間違っちゃいねェ。
滋田も、その親父も素性を確かめたが何も出てはこなかった。だがあの刀捌きは素人とは思えない。
(強い…、)
「俺達はあの時、確かに足手まといだったでさァ」
土方さんもそれに気付いてるはず。だけどあの人は頭が固いから。
滋田は俺達に危害を加えるような事は何もしなかったのに。
(それどころか守られてた)
それに…
「滋田秋…、すっごくかっこよかったでさァ」
敵意を向けられても物おじしない態度。俺を餓鬼扱いした時に見せた笑顔。しかもあの強さ。
顔もかっこよかった。
「…なんかまさに王子様ですねィ」
もう一度会いたい。
今度はあんな危険がいっぱいの場じゃなく、普通に会って会話をしたい。
滋田のことをもっと知りたい。
それから俺が滋田を見つけるのに時間はかからなかった。
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連載番外編!
えいりあんテロ事件の後の話。