SS

□相棒
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「たかみなー、あとで優子と二人で確認お願いね」

「わかりました」




ライブ前の私たちの心は楽しみな気持ちと不安な気持ちが半々で占められる。

ファンの方と一体となって会場を盛り上げることの心地好さ。一度味わってしまえば病み付きになる楽しさだ。
だけど私たちの楽しむのには、ファンの方に楽しんでもらうのが一番の条件。


それには私たちが今まで積み上げてきたこと全てを放出して皆さんに受け取っていただくことが第一歩。
頑張って積み上げてきたとしても、ただ頑張りましたよーとやっているだけでは伝わらない。



曲の演出に間奏のMCの内容。一つ一つの過程がしっかりしていないと意味がない。
どうすればいいか一番身をもって理解しているメンバーたちの意見をまとめあげてひとつの形にする。





「あっ、優子、スタッフさんがあとで確認お願いだって」

「了解ー」




髪の毛をくくり、オフモードの優子。
椅子に座りながら、でっかい爆弾オニギリを片手に休憩中である。


練習をしていたのか、さっき見たときのTシャツと柄が変わっていた。
目の前のテーブルに置かれた、いかにも冷たそうな、汗をかいたペットボトルのお茶の中身は半分を切っている。







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