SS
□相棒
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「飲み物買いに行くー??」
鞄の方に近寄り、財布の中身を確認する。
「そうだ、たかみなっ」
優子が思い出したかのように鞄の中をゴソゴソと探し始めた。探す間、机の上に取り残された爆弾オニギリが随分目立っていた。
「はいっ、これ」
500ml用のペットボトルケースから出てきた缶ジュース。満足顔の優子から手渡しで受けとるとその冷えきった冷たさが体に染み渡った。
「またピリピリしてたから甘めのココアね。怒ってばっかだと頭の回転悪くなるぞー」
そういえば、つい先程まで後輩に教えていて怒った後であった。
椅子をクルクルさせて回転させていた優子がピタッと止まって言った。
「ライブ成功させようなー」
「おう!!」
顔を引き締めたと思ったら、返事をするとすぐに爆弾オニギリに噛みついた。
…そういえばライブのことで忙しくて、二人きりの時間って何日かぶりかも。
ライブ後に優子と一緒に笑顔でおわれますように。心のなかで祈った。
「じゃあちょっと先に後輩の様子見てくるわ」
「了解!!ガツンと言ってこいキャプテン!!」
ごめん、ココアの効果は切れそうかな。
けど優子のその笑顔があるから頑張れます。
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