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□高橋の苦悩
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思いきって優子にキスをした。
その瞬間、握る力が抜けた優子の手を離さないように握り締めた。
高橋にしてはよくやった。自分を誉めてやりたい。といっても一瞬しか触れてないのは聞かなかったことに…
唇を離せば輝く目が慌ただしくキョロキョロと動く。みるみるうちに目より赤くなっていく顔。

高橋、大勝利。



「やーい、顔赤くなってやんのー」



優子に一回言ってみたかったんです。




「なっ、、、」



言い返す言葉が思い浮かばないらしい優子は赤くなった頬を少し掻いた。



「…短いんだよー、そんなので大島さんが満足すると思ってんのかよ」



「ちょっ、優子」


顔を手で引き寄せられて唇が触れる。全然離れない唇。



やっと離したかと思えば耳元で囁かれた。




「みなみにしてはよくやったじゃん。大好きだよ、みなみ」


みなみ呼びと大好きという言葉とキスの余韻のせいで顔が熱を帯びていくのがわかる。そしてまたキスをされた。










キスが終わると
「大島さんに勝とうなんざ百万年早いわー」と言われた。



…勝とうと思った私が馬鹿だったー


だけどまだ優子の顔が赤いことに気づいて思わず笑みがこぼれた高橋でした。













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