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□エンターテイナーの弱点
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家に帰って、すぐに箱を取り出す。
たぶん、バレンタインのお返しということはわかってるんだけど気になって仕方ない。
「うさみみー、気になるよね」
うさみみも興味ありげに下から見上げている。
箱の蓋をあけると出てきたのはケーキ。
…けど若干焦げてる。
「…だからかー」
いつもなら目の前で開けて、人の反応を嬉しそうに見るのに見なかった理由。
そんなの気にしないから別にいいのにな。
優子に連絡するために鞄から携帯を探すと新着メール一件の表示。
どうやら相手は優子。
『陽菜、ごめん。実は初チーズケーキでさ、焦がしちゃったんだよね…。けど味は保証するから食べてみて!!』
直接言えばいいのに…
写真を撮ってから、そのまま一口手にとって口に運ぶ。
「優子が作ってくれたものなら何でもおいしいよねー、うさみみ」
普通においしかったけど、優子が作ってくれたというだけで、またおいしさは倍増する。
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