短編:inzm
□Reason poverty
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「なぁ星降」
「…なんだよ」
いつもの自分ならしない表情のまま返事をした俺の頬を指さしながら名前が聞いてきた。
「…その顔、どした?」
ーReason povertyー
名前が指さした先にある俺の右頬はこれから会う奴みんなに「何があった」と聞かれる自信があるくらい赤くなっていた。幸いなのは赤くなっただけでそんなに腫れていないこと。これで腫れていたら西野空辺りだと確実に爆笑していただろうから。
「いつも何事もなくフるお前が珍しいな、なんで殴られたんだ?」
「別に。ただ素直な気持ちが聞きたいのって言われたからお前とじゃつまんねーって言ったんだよ」
「そりゃ殴られるわ」
「あっちも好き勝手な事言ってたんだからこっちも言いたいこと素直に言っただけだ」
呆れ顔でため息をつく名前にそう吐き捨てれば?を浮かべたあと、にやぁとムカつく顔で笑いながら聞いてきた。
「で?何て言われた?」
俺に言ってみ?とにひひ、と心底面白そうに笑いながら顔を近づけてくる。なに、こいつ。まじムカつく。大体あの女がこいつのこと…あ。
「いいよ、教えてやる」
ある考えを思いつき、そう答えれば教えてくれるとは思っていなかったようで間抜けな顔になる名前。そんな名前の顔を固定して素早く行動。
獣が獲物に食らいつくような荒々しさで唇に噛みつけば予想もしなかった名前が胸を押す。本気で押す名前の唇を無理切り割って舌を差し込んで絡みつかせてちゅうぅっと舌を吸えばびくっとなって大人しくなる。
「、っ…は、」
暫く堪能したあと、最後にもう一度舌を吸って唇を離せば予想通りへたれ込んだ名前。そんな名前に向かってにんまり底意地の悪い笑顔で言ってやる。
「こーゆー仲に見えんだってよ、俺ら」
ーReason povertyー
((名前が居ないと生きていけないみたく見える)か…案外そうかもな)
タイトルと関係なひ。星降は底意地悪いときがあればいい。
111228