短編:inzm
□寂しい時にいつも傍にいるのは貴女だから
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可愛い、可愛い俺のねぇちゃん。
お日様園に居ても何処に居ても呼べば来てくれた。そんなねぇちゃんは小さい。小さな身体をしているくせに中身は大きな性格。
どんな悪戯っ子にも叱ったあとフォローして、どんな泣き虫にも声をかけて慰めてやって。
だから誰も彼もみんながみんなねぇちゃんが好きになる。弟としてはねぇちゃんが好かれることはうれしい反面何処か複雑な気持ちにもなる。
「ねぇちゃんは俺のねぇちゃんなのに」
「どしたの、マサキ」
俺とあまり変わらない背丈のねぇちゃんが俺の顔をのぞき込む。
「…ねぇちゃんはずっと、傍にいるよな」
「当たり前。世界中何処を探したってあたしの弟はマサキだけだもの。マサキが煩わしくなって嫌にならない限り、ずっと傍に居るに決まってるじゃない」
馬鹿ね、なんて言って笑うねぇちゃんに後ろから抱きつく。同じくらいの背丈で同じくらいサッカーもしているのに違う肌の色、違う身体の細さ。いつからだろ、ねぇちゃんがこんなに白く細くなってきたのって。
「マサキは何時でも甘えたね、相変わらず可愛い」
そう笑うねぇちゃんの肩口に顔を埋めて押しつける。何時かねぇちゃんは俺が嫌だと言わなくても傍からいなくなるだろう。仕方ない、仕方ないことだけど、でも。今だけ、せめて素直に甘えられる今だけは。
ー俺の傍から離れないでー
(きっと来る”何時か”までは)
奈綱さんのサイトの二万打お祝いで捧げます。あれ、なんか…暗くなった…?…ごめんなさい。
補足すると大好きなねぇちゃんが離れてっちゃうと寂しいなってお話。補足しなくても分かるね、ごめんなさい。
二万打おめでとうございます^^
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