短編:inzm
□無意識アイロニスト
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どうして、
サッカーを消そうとするのかな。
そんなに嫌なものなのかな。
楽しいものなのに。
「……」
『………ねぇ、君何がしたいの』
今、私の上に跨がる男の子は無言…いやかなり聞き取りにくいけどぽそぽそ話す。いやとりあえず退こうよ
「サッカーは、消えるべきだ」
『…何がいいたいわけ?』
やっと聞き取れた台詞に眉が寄るのがわかった。
「お前の記憶からサッカーを消す…だが、」
『…だが、なに?』
サッカーを消すと言った彼の眉も寄る。
「…記憶から消せば、サッカーに関わるものが消える……私のことも」
倒れている私の首筋にもたれ込む彼に先ほどまで放たれていた冷酷な雰囲気は微塵もなく、
私の眉は寄せることを止めた。
『…結局きみ、何がしたいわけ?』
そう問えば首筋から顔をあげ至近距離で私をみる。端正な顔付きをしている彼の目には私しか映っていない。
「…お前の記憶に、残りたい…」
そう言った彼にきゅんとした私は馬鹿だろう
―無自覚な君にアイロニーと呟く―
久々に夢を書きました…初アルファ。アルファ可愛いよアルファ。タイトルは適当です。
(20120504)