短編:inzm

□愛しい愛しいあなた
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あぁ全く優しいんだから。そんなに優しいからつけ込まれるのよ、騙されるのよ、裏切られるのよ






「…っひ、っ…く…ぅ…ッ」


「泣かないでぇ、ねぇ名前。目が腫れちゃうわよぉ」


ぽろぽろぽろぽろ涙を流す名前、とっても可愛いのよぉ。まぁそれがあの男を思って流されているんだと考えるとあいつを八つ裂きにしたくなっちゃうんだけどねっ☆


しかもあいつに名前を裏切るようにけしかけたのは他でもない私自身。だって傷つく名前可愛いんだものぉ。


でも自分で名前を傷つけるのは駄目、絶対にしちゃ駄目なことなの。もし私が名前を裏切って、傷つけたら名前は私に縋ってくれなくなっちゃう!名前が私の名前を呼ぶ度胸がどきどきするの、泣きながら懇願するのよ頼るのよ?素敵でしょ?胸が張り裂けそうなくらい高鳴るの!



「べーた、べーたぁ…ッ」


ほら、こんな風に!
あぁ名前ったら本当に可愛い!愛おしい、こんな綺麗な硝子のような名前を泣かしたのはあいつ。そうなるように仕組んだのは私だけどそんなの私には全然関係ないわよぉ?





ただ邪魔な奴らを潰すキッカケが欲しい







それと同時に名前が欲しいだけ



「あぁ可哀想、名前可哀想。さっさと忘れなよ、膝貸してやるから」

素の私で名前の頭を優しく撫でればか細い声で、でも確かな声でべーた、と呼び始める名前。べーた、べーた、ちっちゃい声で私を呼ぶ名前に本気で加護欲とかが大変なくらい上昇しちゃう!!


すりすり膝にすり寄ってくる名前の頭を撫でながら自然に口の端がつり上がった



あぁ愛しい愛しい名前。誰があんな男に渡すもんか、誰があいつらみたいな汚い男共に名前を触らせるか。






―渡さない―
(例え親でも、彼氏とかでもね…)






初ベータちゃん。二面性な彼女可愛い

(13/02/22)

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