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□お稲荷さん
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(アツム視点)




自分で言うんもあれやけど俺ら有名やと思う。たとえそれが関西、近畿、兵庫県内までやとしても。せやのに。



「なんや、君ら双子なんかいや」



うち初めてしったわー。



なぁんてのんきに笑う北さんの姉さんに肩が落ちたんがわかる。


「姉さん、ちゃんと俺説明したやろ」


「ごめんて。せやかてちゃんとほんもん見てみなわからんやん?」


北さんがそのなんぼも差があるところに位置する小さい頭を小突く。


いたいいたい、いうて騒ぎつつこっちをみて眉をハの字にさせながら「堪忍なぁ」って、まるで花が咲いたみたいにほわっと笑う。なんや、そんな笑い方されたら文句言うんもはばかれるやんけ。




「なぁサム」

「なぁツム」



あぁ嫌やなぁ、双子ってこういうとき。
なんで欲しがるもん、欲しくなったもんおんなじなんやろな。



「待ったなしやぞ」


「お前こそ途中で焦んなや」


一個しかないもん、取り合うんは昔からやな俺ら。



せやけど。



「お互いの前に俺がいるん、忘れんときや」


名無しさんの耳を軽くふさぎもって北さんが俺らをみやる。


手前の一番の壁取り払うまでは共同戦線しますか。























稲荷崎が兵庫って知った時に一番テンションあがりました。
(18/04/01)


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