10万打企画

□高月様リクエスト
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加えて、趙雲さん+幸村さんという組み合わせになった時ときたら…。

それに関しても、大変頭を悩まされていた。

彼等だけの時は別段問題なく話せているようなのだが、私が加わると…うん…。

「はぁ…しばらくコッチ(蜀)に来ない方がいいのかも…」

「それは困る!」

「ちょ、趙雲殿!」

バーンと開いた浴室の扉。

飛び込んできたのは何故か顔中落書きだらけの趙雲さんと幸村さん。

「き…やあああああっ!」

そして、驚いた私の絹をさくような悲鳴。

「「おお、これは目の正月」」
(目の正月…目の保養と同意義)

「うわああ!見るなあああっ」

慌てて近くにあったタオルを掴み、体を隠した。

「ななななに入ってきてんですか!?」

ギャーギャーと喚く私なんかお構いなしに、二人も不満を爆発させながら、騒ぎ始める。

「いや#name#殿、少々聞いていただきたいことが!」

「いえ#name#、私の話も聞いてください!」

「なっ、なっ、なんですか?
というか、どうしてそんな顔中にスミ付けて…」

彼らは互いの顔を敵対心剥き出しで見るやいな、フンっとそれぞれ逆方向に顔を逸らした。

私は浴槽の縁に手を宛て、目をこらす。

よくよく見てみると、二人の顔の落書きには悪口…のようなモノが書いてあるようだ。

えっと、幸村さんの方には…

「なになに…?

『赤すぎる』『朴念仁』『犬型人間』『粗末な陽物』…?

"ようぶつ"って何ですか?」

「あっ!見てはなりませぬ!」

バッと顔を隠してしまった幸村さん。

「えー?見ないでって言われましても…。
で、趙雲さんの方は…と。

『むっつり』『隠しきれない下心』『少女偏愛(ロリコン)』『粗末すぎる陽物』…?

あの、だから"ようぶつ"って何……」

「ハッ!読まないで下さい!」

「いや、読まないでって言われても…」

「……実はですね」

顔を隠したままの幸村さんが、ため息と共に語りだす。

「先程趙雲殿と手合わせしている時、罰遊戯を設けたのです」

「はあ…。罰ゲームを?」

「ええ」と頷いた、幸村さん同様、未だに顔を隠している趙雲さん。

「勝った方が負けた方の顔に、一つ短所を書くというものです」

「ふんふん。それで二人とも落書きだらけに?」

「「ええ」」

ふぅ…とため息をついた二人は、ようやく顔を隠していた手をどけた。

かと思えば、また互いに睨みをきかせ、今にも殴り合いを始めそうな雰囲気になってしまう。

「趙雲殿は失礼過ぎます。私の陽物が粗末などと…」

「あの、だからようぶつって何…」

「真の事を申しても、問題はないはずだが?
それに幸村殿も私の陽物を粗末と罵っただろう」

「ねえ聞いてます?ようぶつって…」

「もう我慢ならぬ!」

「やると申されるならば受けて立つ!」

二人は堪忍袋の緒が切れたかのように立ち上がり、互いの胸ぐらを掴んだ。

「えっ!?ここで!?あの、二人とも落ち着いて…」

慌てて止めようにも、湯から出れば、何も纏っていない体が見えてしまう。

必死に「まあまあ」となだめていると、幸村さんは私を一度見下ろして、何かを閃いたのか、「あ…」と言った。

「しからば、#name#に決めていただけば良いのです」

「……そうだな。#name#殿ならば公平に決めて下さるだろう」

「えっ、あの、何を…」

突然、二人は自身の下衣に手をかけるものだから、私は慌てて「ストップ!」と連呼する。

「なななななにしてんですかっ!?」

「私と趙雲殿のものを見比べ、はっきりとおっしゃってください」

「贔屓(ひいき)なしに、粗末ならば粗末と、ご遠慮なく」

「……」

そういえば、二人の顔には『粗末な陽物』『粗末すぎる陽物』って書いてあったっけ。

「まっ待って!分かった!
"ようぶつ"って、男性のアレのことか!
って、わあああ!やめて脱がないでーっ!やだ、ちょ……ぅわっ……!誰かあああ!ここに不義の塊がいますよーっ」







その時は、偶然通りかかった月英さんが、彼等に鉄拳制裁を食らわせるなり、気絶した二人を引きずって行ったとさ。








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