*おはなしA*
□*生クリームとあなた*
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そうでした…
黒崎クンのお家でした…
アタシんちと違って、遊子ちゃんも、夏梨ちゃんも、オジ様もいるんでした…。
「おう、井上」
浮かれちゃった…
「今日はお招きありがとうございます、黒崎クン」
「ささっ、どうぞ♪あがって、織姫ちゃん♪」
「…お、お邪魔しまーす」
玄関でブーツを脱ぐと
「はい!織姫ちゃん!」
遊子ちゃんが、可愛いピンクのもこもこルームシューズを出してくれた。
「かわいい!…これ、あたしなんかが履いてもいいの?」
「当たり前だよ〜!だって、織姫ちゃん専用なんだから〜」
「え?」
「あのね!」
っと、遊子ちゃんの後ろから夏梨ちゃん。
「一兄が、イヴに織姫ちゃん連れてくるって言ったから、遊子と一緒に買いに行ったんだよ」
「え!」
「…お父さんもいたよ…、夏梨ちゃん」
「ヒゲはいいし」
…どーしよー…
………すごく嬉しいぃ
だって、だって、それって、あたしが黒崎クンの家にお邪魔しにきたことを
「これは織姫ちゃん専用だから、遊びに来たときはコレ使ってね♪」
歓迎してくれてるってコトだよね…
「…ありがと…うぅ」
「よかったな、井上……って、おまっぇ、泣いてんのかっ?!」
「「えっ?!」」
「だって…嬉しくてぇ」
「「織姫ちゃん…」」
可愛い双子ちゃんのユニゾン…
…なんて心地いい音色なんだろ…
ギュッ!
可愛いルームシューズを胸元で優しく抱きしめた。
「一生…大切にするね…」
「一生って大げさだなぁ…フフ」
なんか…
2人っきりじゃないとか
そんなこと思ってた自分が恥ずかしいなぁ…
「ほら、こんなとこにいつまでもいないで、上がれよ。井上」
「は、はい!」
「「どーぞ、どーぞ♪」」
「お邪魔しま〜す」
「おう」