*おはなし*
□恋するとはこういうことD*キラキラsnow・white*
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いつもと変わらない部屋の天井……
いつもと変わらない窓からの景色……
いつもと変わらずクソうるせー親父の声……
いつもと変わらずベッドに横たわる時間……
なのに
心だけが何か警報を鳴らしている様にザワツクのは何でなんだ?
「…………俺、井上にフラれたのか?」
*きらきらホワイトスノウ*
井上は、いつも笑顔で……
てか、顔の筋肉あんのか?
ってくらいヘラヘラしてて……
でも、そんな井上の笑顔はまわりを和ませてて、井上の周辺は暖かくて……
なんか……
……こう……
すごい、いいなぁって思ってた。
なのに……
さっきの井上はめちゃくちゃ泣いてた。
あんなに泣いてる井上、始めてみたかもしんね……
泣いてる井上を見ると、こっちまで悲しくなるな……
…………原因が俺ならなおさらだ……
俺のためにあんなに泣いたかと思うと辛くなる……
…………はず……だよな?
…………
………………なのに……
なんで俺は……
……こんな…………
ガタンっ!!!!
勢いよく開く窓。
「っ?!」
「一護ぉっ!!」
「ル、ルキアッ!?」
「なんだ?!間抜けな顔をしおって!私がいないと貴様は布団でゴロゴロとっ!」
「……」
「……?」
いつもなら、一護のツッコミがここでマシンガンのように連発してくるはずなのに……
「……一護?」
「……なぁ、ルキア」
一護の真面目な顔に、ただならぬ雰囲気を感じた。
「な、なんだ……?」
「……俺、井上にフラれたのかな?」
「…………」
「…………」
「…………」
「……?」
「…………」
「何を言っておるのだ?貴様は?」
*********†*
「……はぁ〜〜……」
雲ヒトツない青空に似合わない、ため息ヒトツ。
学校行くの気が重いなぁ……
いつもの通学路なのに楽しくないや……
今までなら学校に行けるのが楽しくて、はやく黒崎くんに会い…たく……て……
「……やめよ」
そんなこと考えたって、もう無意味じゃない。
今は黒崎くんに、どう会ったらいいのかわからないもの。
あの日。
あたしは、自分の気持ちを全部吐き出したあと、黒崎くんの反応を見ずに走ってマンションに戻った。
……というか
…………黒崎くんの反応を見るのが怖くて、走った。
だって、目の前で拒否されたら辛すぎて、その場から動けなくなっちゃうもの。
でも、黒崎くんは走っているあたしを追いかけるわけでも、声をかけるわけでもなかった。
……期待していた訳じゃないよ。
ただ、少しでも〃気〃があったら……声ぐらいかけてくれる……でしょ?
…………たぶん。
でも、何もなかった。
結局、あたしは黒崎くんに拒否されたようなものだ。
「……完璧に失恋ですね…」
はぁ〜
ただでさえ、授業をエスケープしちゃったのに失恋なんて……
どんな顔をしていけばいいの?
いつも通りの顔なんて出来る自信がないよ……。
……。
でも、黒崎くんが悪い訳じゃない。
悪いのは、自分の今の状況に耐えきれなくて、気持ちを何も知らない黒崎くんに吐き出して、自己完結したあたしだ。
……だめ。
黒崎くんに迷惑をかけちゃいけない。
黒崎くんは優しいから、あたしが〃いつも〃と違ったら、黒崎くん……責任を感じちゃう……。
……そんなの、イヤ。
絶対ダメっ。
自然とカバンを持つ手に力が入るのは、決意の表れ。
「頑張れるね?あたし」
学校にいるときだけでいいんだもの。
そうだよ。
学校にいるときだけ……。
学校にいるときだけは、〃いつも〃でいよう。
笑うくらい簡単でしょ?