ゴールデンボンバー
□猫が帰ってこなくなった
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「はぁ…」
何となく、テレビを眺めていた。
「…売れちゃってまぁ…」
水色の制服を着て携帯会社のCMに出ている人たち、それなりに、見覚えのある人たち。
三年タダ、今年もタダ、らしい。しかも、テレビもつくってさ。
「はぁ…」
何でこんな溜息ばっかり出るんだろう。
たまに朝早くに起きて何となくテレビを付けると特集されてることなんかもあって、頼んでなくなって色んな局からインタビュー受けるんだ。昔は頼んだってインタビューなんかしてくれなかっただろうに、世の中っていうのは怖い、手の平返しとはこのことだろうな、なんて思いながらスマホのロックを解除した。
LINEのアイコンを押してトークを選択したら、8時間も前に送ったのに既読にすらなってないメッセージ。
いつも猫背が座っているパソコンの前に同じように猫背になりながら座って俯く。
「別に寂しくなんかないし、暇なだけだし…」
LINEのスタンプを連打してやった。iPhoneぶるぶるしやがれこのやろー!もしかして通知消されてたりして。
万年床と化してるあいつの布団の上にスマホを投げつける。たまには布団干せよ、たまには新しいタミTおろせよ!
たまには…
「…ばかみたい………」
― 猫が帰ってこなくなった ―
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