スノウブルー(アムネシア、イッキ★完結済!)
□祈りが届きますように
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イッキさんは僕が怖い?と聞いてきたけれど、怖い、とは思わなかった。
でもイッキさんの青い目が見れなくて、途中から空になったグラスの氷が溶けてく様を見ていた。ゆっくりと氷は液体に変わり、グラスの底に溜まっていく。
ひとしきり、イッキさんが吐き出してくれたあと、イッキさんは何度もごめんね、と溢した。
…それは、私に対してですか?と聞こうとして、『それは』まで発したけれど、私は口を閉じた。
イッキさんが、凄く悲しい顔をしていたから。そんな悲しい顔でさえも綺麗なままで、私はそれが何だか悲しかった。
きっとこのごめんね、は私に対してではない。
きっともう直接は伝えられない、ごめんねなのだ。