短編夢置き場

□色褪せない綺麗な思い出
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ガラリ、と美術室のドアが開かれる。
そこには、後輩の姿があった。



『先輩。卒業、おめでとうございます。』

『…シン。なんで此処に?』

『…なんでって。先輩が居ると思ったからに決まってるでしょう。』


シンは私の元に近寄れば、机の上に座り、はぁ、と小さくため息を溢した。



『高校三年間って、あっという間だったなー』

『へえ。楽しかったですか?』

『うん。楽しくない事もあったけど思い返したら結構良いことばかり出てくる。都合の良い脳ミソだよねー。』

『ふうん。そういうもんなんですかね。』

『そういうもん、そういうもん。シンも卒業まであっという間だと思うよ』

『…あっという間なら良いんですけど。』
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