book
□Kiss ・kiss ・kiss
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アタシはどうしていつまでも子供っぽいんだろう。
高校生になって、もうちょっとだけまもちゃんと大人な雰囲気になれると思ってたのに。
そりゃぁ、少しはそんな雰囲気になって、そーゆー感じの事にホントに少しだけだけどなったりすることもある。
でも、周りの同じ位の年の子に比べると、そういう事になるのは少ないんじゃないかと思う。
二人きりになっても、まもちゃん本ばっかり読んでるし。
アタシそんなに魅力がないのかな。
「こんにちわー。まもちゃん、うさ来たよー!」
そんな事を考えている内にまもちゃんのマンションに着いてしまった。
今日は、久しぶりに二人きりで会える日。
いつもはちびうさがいたりとかで、なかなか二人きりになれなかったからゆっくり会うのは久しぶりだったりする。
少しだけドキドキしながらリビングに行くと、まもちゃんは何時もの通りソファに座って小説を読んでいた。
「お帰り、うさ。」
「ただいま!」
カバンを置いてまもちゃんの横に座る。
まもちゃんは本を読んだままだ。
「ねぇ、まもちゃん。」
「ん?」
小説から目をそらすことなくアタシの質問に答える。
ちょっとくらい、こっちを向いてくれてもいいのに。
何も答えないアタシを不思議に思ったのか、それともテレパシーが通じたのか、まもちゃんはふいにこちらを向いてくれた。
「あ、ごめん。コーヒーでいい?」
「。。。紅茶でお願いします。」