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□ガールズ・トーク
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「うさぎってさー、ぶっちゃけ衛さんとどこまでいってるわけ?」
ガチャンと、亜美ちゃんが紅茶の入っていたカップを落とした。
何時ものようにクラウンでお茶をしていたアタシ達。
正義の戦士をやっているといっても普段は中学生で。
皆集まればそこら辺の中学生となんら変わりのない話で盛り上がる。
今日も間近に迫りつつある受験の息抜き、と称して皆で久々にクラウンに来ていた。
本当に他愛もない、受験が嫌だとか、そんな話をしていたんだけど。
美奈子ちゃんの発言で一瞬空気が止まった。
「えっ!?ど、どこまでって?」
「み、美奈子ちゃん!私達まだ、中学生なのよ!それに、今は受験の真っ最中で!」
「あ、亜美ちゃん!まず溢した紅茶を拭こうよ!」
酷く慌てた様子の亜美ちゃんをまこちゃんが落ち着かせる。
亜美ちゃん、なんでそんなに慌ててるんだろう?
不思議に思って見ると亜美ちゃんの顔は何故かほんのり赤い。
勉強のしすぎかな?
「で、どうなの?うさぎ!」
「ど、どうって・・・」
何やら凄い剣幕で近づいてくる美奈子ちゃんに圧倒されて無意識に体を退いた。
「やめなさいよ、美奈。下品よ。」
今まで口を開かなかったレイちゃんが美奈子ちゃんを止めにはいってくれた。
慌てた様子もなく、お茶を飲むレイちゃん。
「だって!だってよ!?この中で唯一の彼氏持ちなのよ!?この愛の女神を差し置いて・・・じゃなくて・・・気になるじゃない!ねぇ、まこちゃん!?」
「えっ!あ、アタシにふるなよっ!」
「またまたぁ!皆だってホントは気になってるくせにー!」
「あ、私はそんな、うさぎちゃんを信じてるわ!そうよ、そんな!」
「あー、はいはい!で、うさぎ!どこまでいってるの!?」
再度同じ質問を投げかけられる。
一斉にアタシに視線が集まって、意味もなくドキドキしてしまった。
「え、えっと。あ、こないだ遊園地行った!」
「はっ?」
「うん、遊園地!楽しかったんだけど、まもちゃんジェットコースター苦手みたいでねー!でも、嫌がるまもちゃんもまた可愛くて・・・」
「ちっがーーーう!!!」
「えっ!?」
この間遊園地に行ったときの話を思い出して喋っていたアタシを美奈子ちゃんは遮って叫んだ。
皆も呆れたような、ほったしたような、何とも言えない表情でアタシを見ている。
「え?違うって何が!?どこまで行ったか?でしょ?デートでしょ?」
「うさぎ、いいのよ。美奈の言うことなんてほっとけば。」
「ダメよレイちゃん!アタシ達にはうさぎを守ると言う使命があるの!だから、ちゃんと把握しておかなさればいけないのよっ!」
「単なる興味心でしょーが。」
言い合いをしている美奈子ちゃんとレイちゃんを不思議に思って見ていたんだけど、まこちゃんが、こそっと耳元で美奈子ちゃんが聞きたい、本当の意味を教えてくれた。
「えーーーー!!!!ちょ、何っ!みんな、えーー?」
漸く理解したアタシは思わず絶叫してしまう。
慌てて皆が落ち着かせようと、アタシを元の席に座らせる。
「え、あの、それは・・・」
顔が熱くて咽が乾く。目の前にあったジュースを一気に飲み干してなんとか落ち着こうとするけど一向に熱は引かなかった。
「その反応!怪しい!」
「う、うさぎちゃん!アタシ達まだ中学生よ!もっとちゃんと!」
「亜美ちゃん、ちょっと黙ってて!」
何故かまこちゃんまで美奈子ちゃんみたいな反応になってアタシに詰め寄ってくる。
助けを求める様にレイちゃんをみたけど、諦めなさい、と言うような顔をして軽く頭をふった。
「あ、あの。。。ちゅーはした。。。けど。。」
「それはわかってるわよ!?その先よ!聞きたいのは!」
「あー、えと。。。それだけ。」
『えっ?』
「ちゅーだけだよ!!」
『えーっ!!??』
勇気を出して本当の事を話したアタシを呆れたような顔をして皆が見ている。
興味のなさそうな顔をしていたレイちゃんまで、ポカンとした顔でこっちを見ていた。
「え、?え?だって良く泊り行ってるわよね?何もないの?本当に?」
「・・・ないもん。」
「え?同じベットで寝てるのよね?」
「う、うん。。。」
皆、言葉を無くし静まりかえってしまう。
やっぱり、おかしいのかな。
不安で堪らなくなった時。
「衛さん、不能なのかしら。。。」
「ありえる。。。」
「みんな、下世話よ!でも、でも。気になるわ。。。」
「以外にヘタレなだけでしょ。」
不能?ヘタレ?話についていけず混乱するアタシの肩をがしっ!と掴んで美奈子ちゃんは言った。
「この、愛の女神、ビーナスにまっかせなさいっ!」
「え、遠慮します!」
「なぁーに、いってんの!遠慮しなくったっていいのよ!まっかせなさぁい!」
妙にはりきりだした美奈子ちゃん、更には皆までもが対策を練り出してアタシはため息をつくしかなかった。
ど、どうしよう。まもちゃん。。。
「っくしょん!!」
「どうした、地場。風邪でもひいたか?」
「いや、なんだろな。」
end?