裏中心小説
□溺愛監禁
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「……ん…」
身体が痛い…。
そう思いながら、ルルーシュ・ランペルージはいつも通り、全身が痛む身体を、ゆっくりとベッドから起こした。
「ッッ!?」
しかし、いつもと違う部屋の光景を目の当たりにし、驚愕の為言葉を失う。
牢獄とでもいう様な、地下牢の監禁室。
打ちっぱなしのコンクリートの壁に、硬い寝台。
窓は無く、唯一の出口は厳重に施錠されている。
何処だ此処は…!?
困惑しながらも、ルルーシュは昨晩起きた出来事を思い出す為、思考を張り巡らせる。
くそ…、頭がくらくらする…!!
ルルーシュが軽く舌打ちをすると、こちらに徐々に近付いて来る足音が聞こえ始めた。
カツン、カツン、と靴の音がコンクリートの床に鳴り響く。
近付いて来る人物に警戒しながら、ルルーシュはゴクリ、と唾を飲み込んだ。
「やぁ…。お早う、ルルーシュ」
直後、自分の目の前に現れ、微笑を浮かべながら立っている人物を見て、ルルーシュは背筋を凍らせた。
シュナイゼル!?
「ッッ!!」
鈍器で殴られたような痛みと共に、昨晩の記憶が不意に蘇る。
◆◇◆◇◆◇
夕方、突然シュナイゼルから一本の電話が有った。
プライベート通信によるものらしく、誰にも内容は聞かれていない、との事だが…、敵を…、ブリタニア帝国第二皇子、シュナイゼル・エル・ブリタニアを、そう簡単に信じて良いものか…、とルルーシュは緊張の糸を解かず、相手の言葉を用心深く聞く。
だが、シュナイゼルの口から発せられる言葉は、
「今すぐ私の城に来なさい。もう迎えを向かわせているから…。あぁ…、武器何て物騒な物は要らないからな…」
等という、単純明解なものだった。
「お前がブリタニア皇族である事、そして、ゼロとして祖国に反逆を翻している事を、君の大切な人達にも教えてあげても良いんだよ?」
等という、いかにもシュナイゼルなら言いそうな脅し等せずに…。
了解する意味等無い、寧ろ、断ろうと思えば簡単に断れた筈だ。
城に招待されたのを機に、シュナイゼルにギアスをかけ、情報を聞き出した後、口封じに殺してしまえば良いのだ。
だが、ルルーシュは逆らう事も出来ず、シュナイゼルの言う通り、武器を持たぬまま、真夜中の城へと招待された。
そして…、
俺はシュナイゼルに抱かれた…―…。
それも一度ではなく、
何度も何度も…!!
そして、意識が無くなる直前に、何かを口に含ませられ、飲み込んでしまった…。
◇◆◇◆◇◆
「フフッ、昨晩の宴、思い出してくれたかね?」
「くっ…!!俺に何を飲ませ…た……………」
ルルーシュは瞬間、言葉を失った…。
「ん?どうした、ルルーシュ?」
「…なっ……!?」
声が…!!
「フフッ、薬の効果は絶大のようだな…」
シュナイゼルは楽しそうに喉を鳴らし、ククッ、と笑う。
声が…、いつもより…
それに…、シュナイゼルがいつもより大きく見える…
。
「!!」
軽く俯き、視線を下に向けたルルーシュの血の気が引き、背筋に悪寒が走った。
何だこれは!?
これじゃぁ…まるで…!!
「そうだよ、ルルーシュ。今の君は…」
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