時の架け橋

□第五話
1ページ/1ページ





朝食の時間、夏風の一言から始まった。

「なぁ、うちらって何時になったら外出れるの?」

『そうだね!まだ京の観光してないし』

「ったく・・・お前は」

左…左之さん!呆れないでっ。

「京は危ない。刀も使えないお前らを外に出すことは難しい」

ブーブー!

土方の鬼、人でなし、馬鹿野郎、死ね!!

「それはきつくないか?少しぐらい…」

「なら身を守れる程度の力をつけたら?」

・・・それは私たちに刀を使えってこと?

刀って重そうだし刃物だから怖いのになぁ。

「それは言い考えですね、沖田くん」

丸眼鏡め!賛成するなよ。

「それじゃあ飯の後総司、平助、原田は夏風と舞に稽古してやれ」

マジすか!?

「やるからには覚悟しとけよ!」

そう言って私たちを指さした。

『人を指でさしちゃ駄目でしょ』

平助の人差し指を反対の方向に反らした。

「痛てぇぇぇ〜!」

顔が真っ青ですね。

「つーわけで中庭に必ずこいよ」

「こなかったら斬るからね」

そう言う言葉を笑顔で言うからこの人は怖いんだよね。

「OK」

『え〜面倒くさ』



朝食が終わった後私は仕方なく中庭に行った。

道場じゃ一般隊士たちに怪しまれるから中庭でやるらしい。

正直、人を殺す道具何て持ちたくない。

「じゃあ一先ず真剣を持ってみな」

まずは実際に持ってみようというわけだ。

「夏風には俺の貸してやるよ」

鞘から刀を抜いた。

嫌…見たくないよ……。

思わず目を背けてしまった。

「舞には俺のをだ」

鞘から抜いてる途中、刀が太陽の光によって光った。




刃物・・・・思い出す光景はいつも赤い水溜まり、・・・・・・





お父さん・・・・。



『い・・いやっ・・・やめて・・・お父さんっ!!』




「舞!!」



っ!・・ヤバい

・・・理性がぶっ飛んでた。

『夏風…ありがとう』

夏風が呼んでくれなかったら私どうなってたんだろう。



『左之さんごめんなさい。私って先端恐怖症だからさ、刀って苦手なんだ』

その後急いで自分の部屋に戻った。

みんな私のこと気になってるよね…。


でも昼食の時にはいつものように優しく接してくれた。

「そんなに食べたら太っちゃうよ、舞ちゃん」

優しくはないね。



お昼は土方に止められるまで沖田さんとずっと鬼ごっこ(私が鬼)をしました。

太らないよ!





.
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ