好きです先輩!!
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*南沢目線
祭りの帰り、叶を家に送って自分も帰路についた
ふとつないだ手の感触を思い出す
……おかしいな、こんなの慣れてるはずなのに
いつもなら家まで送ったりしないし
なにをするかわからなくなるほど相手に夢中になったりもしないのに
いつもの自分とは違う
そこまで考えて、やめた
もう少しで結論にたどり着いてしまいそうだった
いや、そう考えている時点で俺はもうわかっているのだ
……この、懐かしい感覚
甘くて、苦い、脳を支配して離れないこの感覚だ
もういい、自分の気持ちを否定するのは疲れるだけだ
認めてしまおう
どうするかは後で考えればいい
この先たくさん悩むことになりそうだけど仕方が無い
自分で招いた結果だ
……俺は、叶のことが好きなんだ
彼女が思い出させてくれたこの気持ちを大切にしたいと柄にもなく考え、空を見上げた
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