好きです先輩!!

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*三国視点








最近南沢が変だ
とにかくぼーっとしているのだ
なにかあったのか少し心配になり、部活が終わってから南沢に声をかけた


「今日、変だぞ」
「なんでもねーって」
「何もないようには見えない」
「叶が、……やっぱいい」
「なんでだよ」
「お前にそんな話してもどうにかなるっていう気がしない」


失礼だな、と呟いた

叶、といえばいつも南沢を追いかけている1年生だ
俺が見た限りでは、南沢も相当な好意を彼女に向けているはずだ


「……やっぱ、話していい?」
「お、おう」
「ていうか聞き流して、声に出さないと考えまとまらない気がしてきた」
「わかった」


そう頷けば南沢は隣でぽつりぽつりと話しだした


「……叶は、さあ」
「あぁ、」
「俺のことが好きだっていうんだ」
「そうだな、」
「それは間違いじゃないと思うし、本気で言ってくれてるんだと思う
俺も叶が好きなんだ、今さらだけど」


「それは最初からだろ?」
「は?」
「最初から、叶のこと、好きだったんじゃないのか?」
「……、え、」
「俺には少なくともそう見えた」


そう言った後で南沢の方を見れば、南沢はぱちぱちと瞬きをした


「……俺は、……叶には、俺は合わないんじゃないかって
俺みたいに今まで不純なことばかりしてきた人間より、
もっと普通にあいつと笑っていられるような相手がいると思うんだ」
「……南沢、」
「なんだよ」


足を止める
こいつは何を迷っているんだ、南沢らしくない


「お前の気持ちはどこいったんだよ、
おかしいじゃないか叶もお前もお互いのことが大好きなのに
それ以外の事実があるっていうのか?
大事なのは本人の気持ちだろ?」
「……、三国、」
「そんなに南沢が過去の自分の行動が引っかかるって言うなら
これから叶だけを大切にしてやればいい、過去は変えられないだろ」
「……そう、だな」


呟くように南沢が言った
……こんな弱気な南沢を、初めてみた

そう思いながら南沢を見ると南沢もこちらを向いた
そして、今までに見たこともないような優しい表情で「ありがとう、三国」と笑ったのだ


「俺、きっと誰かに大丈夫って言ってほしかったんだ」
「あぁ、」
「不安だったんだよ、こんな気持ちになったことなかった」
「……よかったじゃないか、」
「あぁ……、あいつを、好きになれてよかった」









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次回かその次で終わります

三国さんかっこよくしたかったんです
わたし大好きなんです三国さん

ていうかもうこういうシーン書くのかゆい…
真面目ならぶは苦手ですギャグに帰りたい

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