好きです先輩!!

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南沢さんと話してない
裏門の近くで南沢さんと会った日から

……違った、
話してないんじゃなくて、
私が南沢さんを避けてるんだ

やだ、私いつからこんなにもろくなったの


「愛ー、今週末さ、……どした?」
「葵、」


帰ろうと玄関に向かう途中で葵に話しかけられる


「なに、が?」
「何が、じゃないよ泣きだしそうな顔してる、
なんかあったの?」


葵は優しいなあって思う
気が利いて、可愛くて、優しくて、
……南沢さんが本当に好きになったのも、こんな子かな


「……う、」
「ちょ、愛!?」


涙が出てくる
葵が私の手をぐいっと引っ張った
私はそのまま葵について行った


「どうしたの?」


着いたのは屋上

葵に南沢さんに本当に好きな子がいることを伝えると、
葵はそっか、とだけ言った
それから大丈夫だよ、と呟いて続けた


「南沢さんが本当の恋を見つけられたのは愛が頑張った影響も少しはあると思う」
「……そうかなあ、」
「そうだよ、だって愛頑張ったじゃん」
「……うん、」
「で、どうするの?」


どうする……?
どうしようもない、でしょ


「愛は南沢さんのことをどう思ってるの?」
「……好き」
「それ伝えた?」
「いつも言ってる」
「ちゃんとした空気で、ちゃんと言ったことある?」
「……、ない、かも」
「いいの?」


葵のまっすぐな瞳に見つめられてはっとした
あぁ、そっか
そうだよね、こんなの私らしくない


「よくない!!」
「そう、それでこそ愛だよ!頑張って!」
「いってくる!」
「行ってらっしゃい!」


葵が思い切り手を振ってくれた
大丈夫、大丈夫
がんばれわたし

南沢さんに好きな人がいてもいい
私が南沢さんのことが好きな事実は変わらないじゃないか
正直に伝えて、ちゃんと折り合いつけるんだ
そして南沢さんの恋を、心から応援できるようになりたい


「(待ってて、南沢さん)」


今、伝えに行きます







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がんばれ愛ちゃん
次かその次で終わり


本当はこの回で終わるはずだったのにな←
文才……ェ

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