あざー

□温もり
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「名無しー」
「う、え、佐久間!?何、どしたの!?」
「気が向いたので迎えに来てみた」
「いや意味わかんないんだけど」


わたしは佐久間と一緒に帰っている
いつもは特待生と一般生徒のわたしじゃ教室が遠いので校門で待ち合わせをしていた
……はず、


「なんで来たのー」
「来ちゃ悪いかよ」
「べつに」
「おら、帰るぞ」
「んー」


実際、あんまりこの教室まで来てほしくない
佐久間綺麗な顔してるから横に並ぶとわたしが可愛くないの目立つし
釣り合わないとか思われたくない


「なに怒ってんの名無し」
「怒ってないよ」
「怒ってんじゃん」


裏門から出て、いつものコンビニの前を通った
細い道だから人も少ない

はあ、と息を吐いた
あ、白い


「……佐久間なんで来たのー」
「まだその話かよ?……何?嫌?」
「嫌じゃない、けど、……」
「けど?」
「やっぱいい」
「なんでだよ」


あー、と小さく佐久間が声を出す
そして私の手を優しく握った


「まあわかるけど」
「わかるの?」
「わかるよ、あれだろ?また名無しと俺が釣り合わないとか考えてんだろ?」


……違う?
そう呟いて私と手をつないでいない方の手でマフラーを引き上げた


「なんでわかるの」
「わかるよーお前本当ネガティブすぎ」
「だけど事実だよ、釣り合ってないもん」
「ばか、本当お前ばか」
「ちょ、」


失礼だな、
そう言う前にぐ、と腕を引かれた
バランスを崩して佐久間の胸に収まる


「さく、」
「釣り合わないとか関係ねーだろ、ていうかお前可愛いし」
「な、」
「俺がお前のこと好きって言ってんの、……それだけじゃだめなの?」
「だ、めじゃない」
「だろ?」


佐久間が私を抱きしめる腕に力が入る
わたし、単純だな
佐久間の一言だけでさっきまでの不安がまるで嘘みたいだ


「名無子」
「!」
「だいすき」
「……わたしも、大好きだよ次郎」


いきなり名前を呼ばれた
あぁ、心臓に悪い
寒いはずなのに、心がすごく暖かくなったような気分だった






温もり
きみの、温かさを知る





_

豆葉様キリリクでしたー

付き合って間もない感じをイメージしてくれると!いいかなと!
佐久間くんは滅多にてれないんじゃないかなって思ったんです

こんな感じで大丈夫でしょうか、
豆葉様、リクありがとうございました*
 

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