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この物語は、私がここ冬木市にある冬木第四学園に通い始めて2年目の話だ。



ピピピピピッ



時計が6時を知らせる。
私の名前は言峰綺礼。今年で17歳を迎える高校生だ。
私が通う冬木第四学園は、少し変わった学園である。
冬木市にある学園のひとつで、いろんな人種が集う学舎だ。
なぜか、魔術や武術といった世間一般では考えられないものが選択教科のひとつにある。


午前8時30分

私は毎日、幼少期からの知り合いで先輩である遠坂時臣と学園に登校している。
これが私の朝の1コマだ。

「おはよう、綺礼」
「おはようございます。時臣さん」

毎朝、私たちはFuyukiというコンビニエンスストアの前で待ち合わせしている。
ちなみに、ここは私のバイト先でもあった。
何気ない話をしながら、学園へと向かう。
ここから学園まで歩いて15分の距離なので、かなり手軽な所に位置していた。

「やはり、この学園は大きすぎますね」
「そうだね。まぁ生徒数が多いから仕方がないことだろう」

この学園は無駄に広すぎた。
A棟、B棟、C棟など学年ごとに棟が分かれており、私はB棟で授業を受けている。

下駄箱まで時臣さんと行き、それから別れた。
その際、時臣さんと同じクラスの間桐雁夜の姿を見かけた。
彼は時臣さんをライバル視しているらしい。
しかし、当の本人はそれにまったく気づいていないのだから苦労する。

私のクラスは少し個性的な人物が多い。まず担任のライダーと呼ばれる大男から紹介しよう。
名をイスカンダルといい、体育教師をしている。
彼は1年のウェイバー・ベルベットと同居しているらしく、毎日ふたりで登校してくる。
教師と生徒が同居していることがバレたらと思うと何故かワクワクしてしまうのは私の悪い癖だ。

「相変わらず早いな、綺礼」

この妙にプライドが高そうな男は、高校1年生の1学期、2学期、3学期から今までずっと隣の席のイギリス人のケイネス・エルメロイ・アーチボルトだ。
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