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冬木第四学園のC棟の3年のある教室。
時臣はいつものように分厚い本を開いて、ぶつぶつと何か口走っている。
表紙には、『現代の魔術とは』と変わったタイトルがついていた。

「お前、今日も言峰と来てたな」

黒髪にやや白が混ざった髪の男が時臣の隣の席に腰を下ろす。
彼の名は間桐雁夜。時臣の幼なじみだ。
彼は時臣を敵視している。
そんな彼だが少しの会話はするようだ。

「あぁ。幼い頃からの習慣みたいなものさ」
「習慣みたいなもの…。ただ、それだけか?」

時臣は行き帰りを共にするのは習慣と一括りするが、どうも腑に落ちない。
それは、時臣が綺礼に向ける視線が他のと違うからだ。
そう、遠坂時臣は言峰綺礼を愛しているのだ。
そして、雁夜もそれと同じ感情を抱いている。
他にも綺礼を狙うものは大勢いる。
女も、そして男すらも…。

「どういう意味だい?」
「お前は言峰のこと…」

がたんっ

突然、雁夜の前の椅子が引かれる。
椅子を引いた男子生徒の名は衛宮切嗣。
女子によくモて、学園のアイドル的存在のアイリスフィールと付き合っているとかいないとかと噂されているため、彼に敵は多く外道と呼ばれている。

「おはよう」
「おはよう、切嗣」

切嗣に挨拶した後にチャイムが鳴った。
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