LOVE

□fine day
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手にした彼の熱。求めた快楽。
だらしなく喉が鳴る。


「・・・ん・・・」

口を開けば唾液が零れ落ちるかのように咥内に触れた肉。

鼻を抜ける甘い音。

俺はヤバイ気狂い。





部屋の空気は真新しい

ソファから見下ろすフローリングの上に
紅く染まったアンタがいる。


「じゅ、ん」


泣きそうな声でさ、顔でさ
どんだけなんだよ、っていう ねぇ?

洒落たカットソーも、薄いベージュのハーフパンツも
いったいいつから着始めた?

ほんの前まで、黒の印象が強かった髪も明るくなって
ほんの前まで、ごつごつしていた身体はどこいった?


「欲しいよぉっ」


むずがって手足をばたつかせて催促。
あんたにそんな資格ないってば。


「ならここまで来て、それなりの態度見せてよ?」

脚を組み直し、顎で促す。
この瞬間は、本当に心の底から見下している。

俺は 愛する、貴方を。

一般論、いや、いまだ自分自身もどこかで疑問を抱いているのも半分

それはとても上質なこの時間を求め、作り上げたのは
声をかけた途端ぱぁっと表情を変えて近寄ってくる、キリト、だからか。

少しの考え事をしている間にキリトは床をずって俺の足元にいた。
ベルトにそろそろと手をかけようとしていた白い腕をパン、と叩く。
恍惚の表情がみるみる内に怯えへと変わる。


「馬鹿?さっき言ったこと、聞いてなかったの?」

「ごめっ」

「まずはなんて言うんだっけ?」


ムカムカする胃を握り締め、極力優しい声で囁いて


「…っ今日も、たくさんっ…ご奉仕させてください」


ああ。


「いいこ」


にんまり笑って心底安心したその顔を殴った。
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