LOVE
□戻れない部屋
1ページ/1ページ
半年ぶりの再会に声をあらげ、泣き、笑い疲れた記憶の断片
それからどれだけ時間が経っている?背中に冷たいビニールの感触
目が覚めたら俺いつから蛙役で主演を果たしたっけ?と
心の中、呟いた。
「消毒終わったぁ?」
「んな早く終わんねぇよ。つーか、そっちは」
「おとなしくなった…かな?」
覗き込んできた潤の顔はぼやけて見える。
ここは、どこだ?いったい…
わかったのはどこかの一室に、潤とアイジと俺がいて、俺は全裸で拘束されているということ。
何故?と口を動かしたはずが声は出ず、やけに鼓動が耳に付いくだけだった。
「出来たよ」
その言葉とともに近づいてきたアイジの表情は、固かった。まるで汚いものを見るような、そんな目付きで。
これから二人が何をしようとしているかなんて、わかりたくなかった。
「なんか、小中の理科の実験思い出す」
「なぁ・・・マジでやんの?」
「なんだよオマエ。このキリト見てなんも感じねぇの?」
「・・・・・・こんなのキリトなんかじゃないよ」
ゴム手袋で触れられる。暴かれていく。
大切だった、二人によって
ここはもう、戻れない部屋。
end