TOA1

□うっかりさん大行進
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 戦いの後に収めていたローレライの鍵を再び具現化させようとするとローレライから待ったがかかった。

《待て。解放してもらえるのは嬉しいのだが今はまずい》

「? なんで?」

《……考えてもみろ。現在お前の仲間たちはこの上で外殻降下準備の真っ最中だ。ここで私を解放すれば外殻降下が終わらぬうちに彼らも巻き込まれる事になるぞ?》

「………ええと、もうちょい後でもいいよな?」

《構わん。二千年待ったのだ。一日や二日遅れたとて気にはならんからな》

「……そういやアッシュ一人で大丈夫かな? 俺の時はアッシュが手伝ってくれたおかげでなんとかなったけど」

《まぁ五分五分と言った所だろう。いくら力の劣化が無いオリジナルとはいっても、此処に至るまでにかなり疲労している上に、一時とはいえ世界全てを背負うのは一人では重過ぎる》

「上手くいかなかったらどう……なるんだ?」

《良くてアッシュのみが犠牲となり、悪ければ外殻全てが自由落下だ。唯一の救いは大地の液状化が解決されているおかげで、全てが泥に沈むことが無いくらいか》

 事も無げに告げられた内容にルークは絶句する。大地が自由落下してしまえば譜歌の加護がない生き物たちは間違いなく全滅してしまう。それに外殻が正常に降ろされなければディバイディングラインに吸着させるはずの瘴気だってちゃんと閉じ込められるかどうか。大地が残っても瘴気が撒き散らされてしまえば、たとえ生き残りがいても止めを差されてしまうに違いない。

「それ全然救いになってヌェーーよッ! どーすんだ!? なんか手助けとかできねーのかよっ!?」

《セフィロトを通じてアッシュに力を送り込めば、なんとかなるかもしれない》

「じゃあやれ! 今すぐ!!」





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