TOA1

□ファブレ邸にて
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「……むぅ」

 一方、そんな様子を蚊帳の外から面白く無さそうに眺めていたルークは静かに呻いていた。母への報告が済んで応接間に戻ってきたらこの光景にぶち当たったのだ。別に構い倒して欲しいなんて願望は無いはずだが、自分と寸分変わらぬ容姿の者が構い倒されているのを見ていると、なんともこう苛立つというかこっ恥ずかしいというか羨ましいというか……ともかく複雑な心境になるのを止められない。お前も俺と同じ顔でそんな締りの無いヘラヘラ顔を晒すな一応『死神』なんていう大層な二つ名を持ってる六神将だろうが! なんて八つ当たりに近い罵倒が喉の辺りでつっかえているのだが言葉にはならず。

「おやぁ、ルーク。アッシュに嫉妬ですか?」
「ち、違っ」



「あら、大佐にルーク。どうかなさいまして?」

「いえ、ルークがアッシュの事を羨ましそうに睨んでいたものですからv」
「だっ、誰が羨ましがるか!!」

 そのやり取りでナタリアは的確にルークの心情を把握したのだろう。

「私にとってアッシュは弟のようなものでしてよ。いくら二人がそっくりでも私が生涯添い遂げたいと願うのはルーク、貴方だけですわ!」

 だからご安心なさいませ。なんて苦笑しつつ熱烈告白をぶちかましたのだった。




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