TOA2

□ローレライの愛し子
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 ファブレさんちのアッシュ君(6歳)の前に大きな大きな問題が立ちはだかったのは、ごくごく最近の事でした。……ぶっちゃけ今まさに。

「この状況で、俺にいったいどうしろと言うんだ」

 歳に似合わぬ酷薄な表情を浮かべたアッシュ君(6歳)は、やはり歳に似合わぬ言葉を吐き捨てた。眉間には深い谷。そして彼の目の前にはアッシュ君によく似た子どもが一人。それは彼の弟のルーク君(5歳)。ルーク君には更に双子の弟がいるのだが、ここには居ないので割愛。戸籍上は二男のルーク君ではあるが、日頃からぽややんとしていて天然で無邪気なので末っ子と思われる事もしばしばだったりする。ついでに言うなら無警戒・無防備。知らない人でも考え無しにホイホイとついていってしまう程だ。


 それも大いに関係あるのだろう。きゃっきゃと楽しそうにはしゃぐルーク君の背後では――



 ――なんか得体の知れない化け物が手ぐすねひいていた。




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