TOA2

□無責任? いいえ、役立たずなだけです
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*パラレルです。
*異文化交流・小ネタ

□無責任? いいえ、役立たずなだけです□


「……なあ。お前ってあの険悪な一団の世界のローレライなんだよな?」

 素直な物言いのルークに声をかけられ内心、『おおおっ、長い髪だというのにとても素直なルークとは新鮮なっ』と素で危険思想に走る意識集合体その二。表にこそ出さなかったものの、微妙に勘のいいミュウが不思議そうに首を傾げた。

「どうしたんだ、ミュウ?」
「みゅぅぅー。なにか邪念を感じた気がしたですのー……」
「おいおい、邪念ってお前なー」
「感じたのはローレライさんのいるほう――」
『――それはともかく、異界のルークよ。私に何か聞きたいことがあったのではないのか?』

 だが蒼いチーグルの言葉が最後まで紡がれることは無かった。ミュウの言葉を遮るかのようにローレライが割り込んできたのだ。その声は不自然なくらい大きかったのだが、幸い天然の気のあるルークが気付くことはなく。

「あ、うん。じつはさ、あの険悪な一団をなんとか仲良くさせられねーかなぁって」
『――ぶっちゃけ無理だ』
「――投げるの早っ! ていうかぶっちゃけとか言うなよ!」

 今まで俺がローレライっていう凄そうなものに対して抱いてたイメージがぶち壊しだー!

 うぅっ……凄そうって思ってたのにこんな軽いとか有り得ぬぇーと、泣き崩れるルーク。そんなルークを前にローレライは『そんなことを言われても困るのだが……』と若干戸惑い気味だ。

「……けどさ、なんで無理なのか理由ぐらいは聞いてもいいよな?」
『元の世界に戻れば記憶は消えるからな。いま此処であれらの態度を正したところで意味は無いということだ』
「えーっ、そんなの酷くね?」
「みゅぅぅ。ご主人様がティアさんたちと仲良くできないのはかわいそーですのー……」
『そっ、そうは言っても私とて何もできなくて心苦しいのだっ!』
「心苦しいなら何とかしろよ」
「なんとかしろですのー」
『しかし事情説明をしようにも、あちらが聞く耳を持たなくてはな……』
「そのへんをどうにかするのがローレライパワーだろっ!」
「ろーれらいぱわーですのーっ」
『いや、無理なものは無理なのだっ。というかローレライパワーとかそんなものは無いっ、無いぞ!』
「じゃあ、ダアト戦隊ローレライレンジャーとか!」
『なんだソレはっ!』
「なんかスゴイことできそうじゃん、ローレライレンジャー」
「ご主人様ご主人様。それをいうならアビスレンジャーですの!」
「そだっけか? アビスレンジャーっていえば……アビスレッドってカッコイイよな!」
『……ふむ、レッドか。これほどルークに似合う色もあるまい』
「えっ、マジ? ローレライに言われるなんて俺、すごくね?」
「ご主人様すごいですの!」

 そして、三人(?)の会話は少しづつズレていくのだった。



「……とことん報われねぇな、アイツも」

 何気に聞き耳を立てていたアッシュは、険悪な雰囲気を撒き散らす一団に囲まれた短髪ルークを見ながらポツリと呟いた。




 久々の拍手更新。ですが、またまたパラレルな上に小ネタでーすははははは(←乾いた笑い)

 状況的にはウチに掲載してるパラレルの皆様が異世界に飛ばされたのだけど、脱出するためにローレライを捕獲した直後な場面。で、「あしたのために」ルークを心配した「紅チーグル」ルークがロレさんに詰め寄ってる感じっす。

ちなみに本には未収録。……小ネタだし間に合わなかったしネ!(ぇ)

2008/05/28公開 PC版拍手と共用




(08/08/17追記)「はぴめに!(TOAパラレル小説再録本)」には加筆修正版?を収録してます^^;
 

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