TOA1
□明日はどっち?
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「あんまあの二人に負担掛けたくね―んだけどなぁ…」
はぁ、とため息一つ。
いつだったか育ての親兼親友が、ため息をついたらその分幸せが逃げると言っていたが今更な気もする。今現在、俺の幸せ残量ってどのくらいなんだろうか? なんて埒もない事を考えては気落ちしてしまう。絶対エンプティに近い状態であるに違いない。根拠はないが。
「…だいたい、一人でセフィロトに来てユリア式封咒解いても、肝心の制御盤を起動できなきゃ俺にできる事って無いじゃんかよー」
一人ではできることに限界がある事は先の旅で嫌と言うほど思い知っていたハズなのに、どうしてすぐに忘却の彼方に追いやってしまうのか。先の事をよく考えておけば判ったはずの事柄であっただけにちょっぴりショックだ。先走りすぎるにも程がある。
ほんっと俺って考えが足りね―。
そうしてもう一つため息。もう幸せ残量とか気にするもんか。
「ご主人様っ、ボクにはよくわからないですけど元気出すですのっ」
ミュウはその小さな体をピョンピョンと弾ませてはげましてくれる。
仲間達と袂を分かってしまった彼の唯一の癒しは水色の小さな聖獣のみだった。
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