TOA1

□なにこれ2
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 キィンッ、キュィーンッ! と激しい剣戟がダアトにある神託の盾本部のとある一室から響き渡っていた。


 剣戟を響かせているのは二人の青年。


 片方は黒を基調とした神託の盾で支給されている団服を着て、前髪を後ろに流した青年。もう片方はゆったりとした白の上着に黒のズボンと外套といういかにも旅人といった服装の青年。だかその容姿は双方とも似通っていた……いや、似通うなどというレベルではなく瓜二つ。その身が翻るたびに双方の長く紅い髪も舞う。


「テメェ、シラ切るんじゃねぇよ! レプリカがッ!」
「さっきから俺はレプリカじゃねぇッつってんだろーが! いい加減認めやがれッ!!」


 一言発するたびに剣のぶつかり合う音が響き渡る。


「レプリカじゃなけりゃ何だってんだ? まさか俺自身だとでも? ハンッ、ふざけんな!」
「そのまさかだ、この頑固者がッ! そんなだから取り返しがつかなくなって初めて大事な事に気付くんだテメェも俺もッ!!」



 そして怒りに任せた外套の青年の一撃が黒服の青年を打ち据える。


 ……ローレライの鍵で容赦なく。ぶっちゃけ八つ当たりだった。




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