TOA1
□カミングアウトは計画的に
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聞き覚えのある声が聞こえてきたのは、モースが六神将へと号令を上げようとしたその瞬間だった。
「『ND2020、要塞の町はうずたかく死体が詰まれ、死臭と疫病に包まれる――」
「お前は……」
声の主の姿を認めたモースは怪訝な表情と不快さを隠しもしなかった。そうこうしている間にも不吉な宣言は続く。
「――すなわちオールドラントの最期なり』。モース、そしてキムラスカの政を担う皆様方。この惑星預言を聞いても預言預言と馬鹿の一つ覚えのごとく喚き立てるおつもりですか?」
開け放たれた謁見の間の入り口には、いつもの仮面に白の上着を身にまとうシンクと、それに寄り添うように白と桃色を基調とした衣服を身に纏ったアリエッタが立っていたのだった。
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