Poetry 0

□小粒の雨が降り注ぐ空を見上げて
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冷えた指先に やわらかな風が吹いた

見上げた空からは 気のせい程度の雨粒が降り注ぐ

建物と建物の間から どんよりとした雲と雲の間から

空が見えた 水色の



水色としか 思い浮かんでくる言葉がなかった

本当は 「水」の色なんてしていないのに

それでも ただ 「水色」だった



小粒の雨をたまに感じながら

満たされた心は 思うんだ



昔 誰かが言ったことを ふと思い出して

「止まない雨はない」と

「でも それは・・・」と





心の中に降りつづける雨は

青空なんか絶対見えなくて

見えたとしても

それは絶対再び私の心に訪れないと

信じ切っていて・・・



「青空が見えたからでしょう?」と

尋ねたかった

答えを 知りたかった



「君に会いたい」と 願いながら通っているのに 

その声は 誰の耳にも届かず 急な坂道を下りていく



可能性を信じていたんだ

勝手に 気ままに

「裏切られた」と 思うのが嫌だったから



優しい気持ちになって 泣き出したくなって

それでも 笑うことも 泣くこともなく

ただ 前を見ていた

ただ 前に進んでいた

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