Poetry 0

□傷痕
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「もう、

どうすればいいかなんて

わからないよ。」



何度も嘆いた

溢れる涙が止まることもなく



不安で

こわくて

恐ろしくて



だけど時は

無情に優しく進んで行って



うれしかった

ほっとした



何も考えたくなかった

何も考えられなかった



目覚めた朝に

涙を残して

部屋の中を明るく照らす太陽に

新しい一日の希望を抱く



それの繰り返しだった



いつから変わった?

いつから変わってしまった?



泣き叫ぶ声を殺して

涙を殺して

それでも叫び出しそうな声を殺して

喉をしめるために首をしめて



自分を抑えつけて

殺して



一体誰のため?

何のため?

そこまでやったの?

そこまでやってしまったの?



朝が嫌いになった訳じゃない

目覚めた朝

訳もわからず涙を拭うこともある

夜が闇だけではないことも知っている



明日が嫌いになった

未来に希望はなかった

今日と同じように明日が続くと思っていた

昨日と今日が同じだったように



誰も教えてくれなかった

誰も教えてくれない

それなのに

自分を信じることができなかった

自分を信じて来なかった



傷痕を見るのが嫌で

傷をえぐってしまう気がして避けてばかりいた

傷痕と真っ正面から向き合ってみた

新しい朝日を手に入れるため

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