Poetry 2

□39 傷跡との対話
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嫌いで嫌いで



本当は

恐れていて



存在自体が恐怖の塊

私を苦しめた罰がそれなら

私が苦しんでいるのは

あなたのためですか?



これ以上

自分を傷付けたくなかった



これ以上

笑えなくなるのは嫌だった



これ以上

泣けずに苦しむのは嫌だった



これ以上

怒りくらいしか持つことができないのは嫌だった



これ以上



これ以上



そういい訳を胸の中

吐き出すこともできずに

一人で抱えて



差し出してくれる手を

「傷付けてはいけない」と

無理して払って

心の重石増やしては



“あなたのせい”と

責任転嫁



笑えることが嬉しくて

再び笑っていたけれど

魔法が解けるのは

あまりにも早くて

こわくてまた

闇の中に吸い込まれていく



“あなたのせい”

もうそう云うことすら辛くって

だから

あなたを傷付けていることに気付かぬ振りして

傷を増やして



あなたとの全てを断ち切った

断ち切ったはずだった



たくさんの繋がりを

一つでも留めておきたくて

でも

無理だと勝手に思って

空回って苦しんで



闇の中だから

何も見えないの

光の中だから

何も見えないの



本当は

何も見たくないの



あなたのような

重石を

もう二度と

背負いたくはない

背負わされるのは

もう嫌なの



だから

あなたは勝手に傷ついて

私は勝手に目を閉じて

何も見ないことに決めたなんて嘘は

早くに撤回して

あなたの幸せを願うなんて理想は

無理だから

勝手に自分の幸せは

勝手に自分で掴んでしまって



でも

たった一つだけ

条件を云わせて



私のような人を

もう二度と一人も作らないで



言葉にできなくても

表情や身振り素振りで表せなくても

きっとそれに気付いて

解き放ってあげて



そうでなきゃ

その人はもちろん

私も

そしてあなたも

救われることなんて

ありえない



どうか

あなたを

あなたの愛する人を

幸せにしてください



これも理想だけれど

だけど

私の我が侭で

空威張りの遠吠えで

だからどうか

約束を

自分を傷付けないために

自分だけを護らないでください

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