Poetry 2

□40 堪えた涙
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自分くらいしか

自分だけしか

「苦しい」なんて本音

云えないから



だから

もっと苦しくて

だから

余計に苦しくて



涙を流しそうになるから

言い訳をして

涙が声を震わす前に

姿を消そうと無駄な努力をするから

だから

本当のことなんて

わからなくなって

どれが本当かわからないから

思い出したくもないことを思い出しては

嗚咽が零れてしまいそうで

それが嫌で

また全てを消し去ろうとするから



だから

辛いなんて云えなくて

だから

苦しいなんて云えなくて



自分を傷付けることばっかり

考えて

ポケットに隠す刃は

自分を傷付けたいのか

そんな自分をわかって欲しい

そんな弱い自分の表れなのか

どっちでもよくて

ただ

わかって欲しいと願っている



苦しいって

辛いって



不安で不安で

押し潰されそうになるのを

必死になっているのに

それさえ無視して

無理をしていることに何一つ気付かないで

どうして苦しめるの?

なんて結局

云えるわけない

だってどうせ私は

弱虫だもの



自分の本当の気持ちを

ひたすらに隠してしまって

偽りの気持ちを本当と信じて

そう信じて自分を救いたかったはずなのに

真実と向き合うことを拒否しているだけだと

そんな気もして

そんな風に思う自分が苦しくて

またその気持ちを必死に隠して



傷口を見たくないと目を逸らして

傷痕がどこにあるかわからなくなって

必死に探して不安になって

赤くはれた腕をさすって安堵して



そんな苦しい生き方しかできない

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