Poetry 3
□65 記録と記憶
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嘘だと思った
ただの勘違いであると
そう信じたかった
私が苦しんだあの時間は
あんなにも短かったのかと
私が悩んでいたあのときは
気のせいほどの僅かな時間だったのかと
そんなの
信じたくなかった
嫌だった
そんなに私の傷は浅くない
苦しんで苦しんで
何もかもが嫌になるほど
その間に傷つけた人なんて
どれほどいたか
傷ついて泣きながら
溢れてさえ来ない涙に苛立ったり
どうして
あんな
短くしてしまうの?
まるで
私の涙には
傷には
何の意味もない
“無駄”なことなのだと
そう暗示されているようで
自分で自分が嫌になってしまう