10/01の日記

11:37
徹夜踊りの最終日
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月が
泣いている

しんしんと
静かに
頬を
濡らしていく


これで
何度目だろうか

月を見上げて
馬に乗り
とんびやカラスに襲われ
かつての物語に耳をすませ
相撲を見
ねこの声を聞いて
さわいで
そろえて

あっという間の
朝焼けを迎える


雲間からのぞく月が
こちらを楽しげに
眺めてくれていると
思ったのは
何度目の夜か
はたまた朝か



月が泣く
今日もまた

今宵というには
朝の光がまぶしい町を

月が泣く
昨日の今日の境目を
知らずに越えゆく
さわがしい町を

月が泣く
最後の曲に
涙を浮かべる者を
優しく
隠すように

月が泣く
どうか
また出会えるようにと
何百年も重ねてきた
約束を宿して

月が泣く
月が泣く

だから頬は
濡れそぼっている

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